2020年賀写真

[photo by Tim McLean 伊豆 城ヶ崎からの大島]

 

 私たちシープラスエフ研究所(略:C+F)の活動は、昨年で35年(前身を含めると43年)を迎えました。個々人が人生を歩む上で、良質なこころの指針との出会いがいかに助けとなるかを個人的な体験からも実感し、活動を続けています。これまで関わって下さった数えきれない方々の取り組みや知恵、つながりの蓄積が、ここまでC+Fを運んできてくれたと感じ、大変ありがたいです。

 昨年はパンデミックのみならず、(すでにある紛争に加え)戦争までもが起き、心痛む日々が続いています。また、経済やエネルギーの問題、そして環境の危機がさらにクローズアップされることになりました。国内でも辛い事故や事件が起き、社会的に困難な一年だったと思います。世界全体が悪い方向に向かっていると感じやすく、実際にそうなのでしょう。現実を直視する必要があります。ただ、そんな中で、多くの前向きな取り組みや可能性が生まれていることにも目を向けることが、力を与えてくれます。おかげさまで昨年のC+Fの活動は、アクティブで充実した一年でした。ワークショップやオンライン・カフェ、経営者研修、企業研修など、いずれにおいても参加して下さった皆さんの真摯な取り組みや変化に希望を感じることができました。また、新しいテーマややり方についてのチャレンジが多く、全力で取り組むことができました。

 地元伊豆の地域活動では、富士箱根伊豆国際学会のテーマ「地域DNA」に関連し、場のもつ気配(スピリット・オブ・プレイス)やネイティブの知恵についてご紹介しています。また、ITOまなびやステーション、法政大学川久保研究室と共に、SDGs(持続可能な開発目標)の活動も始めました。これまでの活動をSDGsの観点から見直すと共に、さらにできることを実践し、伊豆での自然体験の機会提供を増やしていくつもりです。

 C+Fのビジョンには、「ひとりひとりが尊重され、個人と社会、地球環境が調和のとれた創造的な発展をしていくことが私たちの願いです。」という文章が入っており、SDGsと呼応するものです。SDGsについては、最近のトレンドだからということではなく、SDGsの本質をとらえようとする考えや取り組みを行なっている川久保研究室との出会いを大変ありがたく思っています。

 本年も、こころの指針や気持ちの支えとなり、前向きな変化を生み出す助けとなる優れた考え方や効果的な方法を紹介していきます。ひとりひとりが尊重される場で安心でき、自由に探求できることで、自分自身を見つめ、癒し、可能性を広げていけるよう、取り組んでいきます。おかげさまで多くの方々に関心をお寄せいただき、応援していただいて、大変充実した内容となっていることを、心からありがたく思っています。

 今年はオンライン・プログラムだけでなく、リアル(現地集合)開催も少しずつ増やしてゆければと考えています。ワークショップに関しては引き続き、エニアグラムやバイロン・ケイティ・ワークを中心に、体験的ワークショップを提供してゆきます(新規のテーマを含む)。C+F主催以外では、経営者や企業向けの研修も実施予定です。また、国内外のグループのために、伊豆での自然体験の機会を提供します。


1. ワークショップ:


エニアグラム
 9つの性格タイプのシステムで、もっとも正確で詳しい心の地図とも言われ、世界的に高く評価されてきました。深い自己理解や他者理解を促し、個人の可能性を広げ、自己成長や対人関係において、多大な助けとなります。

バイロン・ケイティ・ワーク
 ストレスになったり、可能性を制限するビリーフに対し、「4つの質問と置き換え」を行うことで、視野が広がり、思考がクリアに、そして心が軽くなります。シンプルな手法ながら効果が高く、前向きで主体的な関わり方や行動、問題解決などに導く画期的な方法として、世界的に大きな反響を呼んでいます。

 

2. 経営者を対象とする研修:

 ティム・マクリーンは長年、世界最大規模のネットワークをもつ経営者団体において公認ファシリテーターを務めています。コーチングなどをベースとし、経営者の気づき・変化・成長を促すサポートをしています。

 

3. 企業など組織向けの研修:

 役員向け研修、階層別研修、部門別研修などです。それぞれの組織の状況やニーズを踏まえ、プログラムをカスタマイズします。もっとも重要な基盤となる信頼関係構築やコミュニケーション力の向上を促すと共に、リーダーシップの育成や風土改革、メンタルケアなどに役立つ研修を提供。「エニアグラム」、「リーダーシップ・サークル」、「バイロン・ケイティ・ワーク」、「傾聴」、「コーチング」などの考え方や手法の中から選択し、プログラムを構成します。

 企業研修においては、役割としてだけではなく、ひとりひとりの人間として尊重されることで、信頼関係や可能性を広げていけるような文化が醸成されるよう、サポートさせていただいています。単発の研修もありますが、継続的に関わらせていただくケースもさらに増えており、より効果的で総合的なサポートが可能となっていることを、うれしく思っています。


 参加された方々の確かな良い変化に接することが、私たちにとり、励みや希望となっています。また、皆様のご協力のおかげで、安心できる温かな探求の場となっていることを、大変ありがたく思っています。

 私たちはこれからも、それぞれの場で懸命に生きている個々人が、自らの力を高め、希望を見出し、新しい可能性を生み出していけるような機会やつながりを提供し、支援していきます。自分自身の取り組みと、それを支えるつながりを通じて、新しい可能性を開き、社会や地球環境のより健全で創造的な発展に貢献できればと思います。そのような私たちの試みに加わっていただけることを、心より願っています。

 

C+F研究所 ティム・マクリーン、高岡よし子、守屋智一  

 

     
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